僕は兄とともに8月10日から16日にかけて、社会福祉法人平和保育園のボランティアに参加しました。
 この保育園は、僕と兄が昔お世話になった保育園です。お世話になったお礼の気持ちと、幼稚園と似ているようでちがう保育園の仕事に前から漠然とした興味を持っていたのでぜひ参加したいと思っていました。
 初日、子供たちのいる部屋に入ると、自己紹介をする前から子供達が僕の周りに集まってきました。「先生なんて名前?」と聞く子もいれば、「先生、エプロンのひもほどけているよ。」といってエプロンのひもを引っ張る子もいました。実はこのひもを引っ張ってた子がほどいてたんですけど。
 自己紹介がすむと僕はたちまち子供達のオモチャになってしまいました。結局僕は前に二人抱っこして背中に一人、脚にも一人くっついてきて、合計4人も抱えることになってしまった。いくらみんなまだ小さいとはいえ、4人もくっついているとかなり重たい。僕が「重いからおりてえ。」というと三人はすぐに降りてくれましたが、A君という子は、なかなか降りてくれません。それから園長先生が僕を呼びにくるまでずっと降りてくれませんでした。んー。保育士さんって重労働。毎日こんな重い思いをしているのかな
 給食の時間に妹と同じ名前のBちゃんというとてもわがままな子に苦労しました。その子は、食べさせてあげないと食べない子で、する興味がほかへいってしまうらしいのです。お昼寝のふとんをしき始めると、まだ給食の時間なのに「もうお腹いっぱい。」といってふとんのほうへ走っていってしまった。少し待って声をかけても戻ってこないので、片付けてしまいました。それなのに少しすると「先生お腹すいた。」とこっちにやってきます。「お腹いっぱいっていたから片付けちゃったよ。」というとまた「お腹すいた。」「でもBちゃん、さっきお腹いっぱいっていったでしょ。」という会話が繰り返されたあと突然テケテケーとふとんのほうへ走っていったしまいました。
 でもどの子供達もみなまっすぐな目で僕をみつめてくれるのでとても可愛いと思いました。
 保育園には、子供と遊んだり、お昼寝させたりする以外に、いろいろな仕事がたくさんあります。砂場の水はけが悪くなれば、砂を掘り返して、粘土を取り除きます。門のペンキぬりや、高いところの窓ふきもありました。
 僕はつい最近まで、保育園は女の人の仕事だと思っていました。前にドラマで、何のドラマか忘れてしまったけど、男の保育士さんを見てとても驚きました。保育園の仕事は、実際現場にたってみると意外と重労働です。けして女の人だけの仕事ではないと思いました。
 この保育園は、時間外の保育をやっているので、朝は7時から、夜は9時半までの三交代で仕事をしています。しかし、早番のや遅番の日があって、毎日違う時間に仕事にいかなくてはなりません。仕事をしているおとうさんやおかあさんにとっては、有り難いことだと思いますが、預かるほうも大変だなあと思いました。それに子供達も大変です。朝早くから夜遅くまで預けられている子は、親と一緒になにかをする時間よりも保育園ですごす時間の方が多くなってしまいます。預けられている時間が長ければ長いほど保育は難しいのではないかと思いました。うまくいえないけど、どんなに頑張っても親になれないし、たとえ子供がそれを求めたとしても親のように愛情を注いではいけないのではないかと思いました。でもけして事務的に接してはいけないと思います。
 「保育所は保護者の労働や疾病などにより、保育に欠ける乳幼児を日々保護者に代わって保育することを目的とする児童福祉施設である。」と本には書いてありましたが、保育士は絶対に親には代われないと思いました。
 保育するっていったいどんなことだろう? 難しくてよくわからない。でもこの夏のボランティアの経験は、僕のこれからのことを決めるのにきっと役立つと思います。また機会があれば是非ボランティアに参加したいと思います。

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