トップページに戻る
 
空色はブタさんの衣装の色。
今日のブタさんはどんなことを考えているのかな?
  あのね、ブタさんは、あしたのプールのこと考えているの。  
---ブタさんは、ホントは泳げません。
でもいつかきっと、そして白鳥さんのように優雅に泳げるようになると信じているの。


ブタさんは、とってもおしゃれな女の子。メスブタなんていわないで。

ブタさんは、バレエが大好き!いつもクルクルと一人でも楽しそうに踊っています。
さて、ブタさんの通っている「しろぶた小学校」では、あしたからプールが始まります。
ブタさんはプールがバレエと同じくらい大好きです。
でも、困ったことがあります。
ブタさんは1メートルも泳げないのです。

好きなのに泳げないには変だって?!そんなのは屁理屈というもの。だって「好き」と「できる」ということは違うのですから。
ブタさんは、とっても太っていて、すぐしずんでしまうんです。その上、水に入るとどういうわけかクルンとカールしたしっぽが、飛行機のプロペラのようにグルングルン勝手に回りだして、どんどんしずんでしまうんです。 ある日のことブタさんが公園を散歩していると、一羽の真っ白な白鳥が池をゆうゆうと、そしていかにも簡単そうに泳いでいました。

「そうだ!白鳥さんに泳ぎ方を教えてもらおう!」

ブタさんは白鳥とお友達になって教えてもらえば、あんなふうにゆうゆうと簡単に泳げるようになると思いました。
そして一歩前へ足を踏み出したとたん、

ボッシャーン!!!
池に落っこちてしまいました。

「誰か助けて!!おぼれちゃう!!!」

ブタさんは必死でもがきました。しっぽは、グルングルン。短い手足も、右と左がぎゃくまわりにグルングルン。からだはどんどん沈んでいきます。

ブクブクブクブクブク・・・

「もうだめだ!」

ブタさんがあきらめかけたとき、目の前にあの白鳥さんが・・・
そのときブタさんは小さな目ではっきりと見たのです。水の中の白鳥さんは、必死で水をかいてしずまないように頑張っていたのです。
白鳥さんはブタさんを引き上げてくれました。

ブタさんはお礼を言うのも忘れていいました。
「池の上ではあんなに優雅そうに泳いでいたのに、水の中では大変な思いをしていたんだね、知らなかったわ。」
すると白鳥は言いました。

「まあね。でも、ぼくだって最初からこんな風に優雅に泳げたわけじゃないよ。生まれてすぐから一生懸命練習したんだ。上手に泳げないと敵におそわれちゃうからね。」

「生まれてすぐから?いっぱい練習したのね。わたしも頑張って練習する!そして泳げるようになるの」
「頑張れよ。ぼくも応援するよ。」

こうして白鳥さんとブタさんの泳ぎの練習が始まりました。−−−時は流れ・・・3年が経ちました。
ブタさんは泳げるようになりました。なんとしっぽを使って泳げるようになったのです!
お肉のいっぱいついた体は、あぶらなので力を抜けば自然に浮くことがわかりました。
前へ進むにはクルンとしたしっぽをグルングルンまわすと、まるでモーターボートのように早く進むことができました。
ブタさんは得意げです。

白鳥は心の中で言いました。

「おめでとう!頑張ったね、ブタさん!これからも、何でも頑張ってチャレンジするんだよ。」

ともあれ、めでたしめでたし・・・?!